公認心理師とは

 「公認心理師」とは、2015年9月9日に成立した「公認心理師法」に書かれている心理職の国家資格の名称です。これまで、日本では、臨床心理士、臨床発達心理士などの民間資格を持った心理職が専門職として活躍してきましたが、国家資格はまだありませんでした。「公認心理師」は、日本で初めて法律に明記された心理職の国家資格です。

  心理職の国家資格をめぐる議論は、臨床心理士制度のはじまりとほぼ同時期まで遡ることができます(1988年)。議論の主要な争点は、臨床心理技術者の業務に「医行為」が含まれるのか否かというものでした。議論は続き、2005年には「臨床心理士及び医療心理師法案」の国会上程が準備されていましたが頓挫しました(この法案がいわゆる2資格1法案と称されるものです)。その後、議論は難航し紆余曲折を経て、2014年の第186回通常国会において「公認心理師法案」が提出されるも、第187回臨時国会会期中の衆議院解散に伴って廃案となりました。2015年の第189回通常国会において「公認心理師法案」が再提出され、同年9月9日に成立しました。